プランクの式で凍結時間を見積もる——厚さと温度差が決める凍結設計の基本
更新日:2026年10月30日
テーマ:プランクの式による凍結時間の推定 / 掲載日:2026年10月30日
凍結条件を決める際、「何分で中心まで凍るのか」を事前に見積もれると、設備選定やライン設計が楽になります。その基本となるのがプランクの式です。凍結時間は、食品の初期凍結点と冷媒との温度差に反比例し、製品の厚さに比例して長くなります。厚さの影響は条件によって、ほぼ2乗に比例する場合もあります。
式には、除去すべき熱量、熱伝導率、熱伝達率に加え、形状で決まる定数が含まれます。FAOの資料では、無限平板の定数はP=0.500、R=0.250、球と無限円柱はP=0.167、R=0.042とされています。形状によって表面積と体積の比が異なるため、同じ厚さでも凍結時間は変わります。
同資料には、厚さの効果を示す事例があります。100mmのニシンのブロックで約200分かかった凍結が、75mmにすると約112分になると紹介されています。冷媒を-25℃にした場合の試算では約283分とされており、厚さの見直しが凍結時間の短縮に大きく効くことがわかります。
ただし、実務では注意が必要です。プランクの式は潜熱のみを考慮し、凍結が始まる温度で熱がすべて除去されると仮定しています。そのため、解凍時間の予測を論じた総説では、実際より最大30%短い値になり得るとされ、そのまま使うべきでないと指摘されています。FAOの資料も、算出値は目安であり、設備設計に用いるべきではないとしています。
現場では、式で当たりをつけた後、品温センサーで中心温度の凍結曲線を測定して確認することをお勧めします。包装内の空気やトレイ間の隙間も凍結時間を延ばすため、実測による検証が欠かせません。


