冷凍食品の包装技術——冷凍焼けを防ぐガスバリアフィルムの進化

更新日:2026年8月23日

トピック:冷凍食品の包装技術(冷凍焼け防止とガスバリアフィルム)/掲載日:2026年8月7日

冷凍食品の品質劣化要因として、氷結晶の粗大化と並んで見過ごせないのが冷凍焼け(フリーザーバーン)です。冷凍庫内では扉の開閉や霜取り運転により微小な温度変動が繰り返され、食品表面の氷結晶が昇華して内部組織がスポンジ状の多孔質になります。露出した表面は酸素と接触しやすくなり、脂質酸化や退色、異臭を招きます。液冷式急速凍結やCAS冷凍によって氷結晶を微細化できても、包装が不十分であれば流通・保管段階で品質が損なわれてしまいます。

冷凍焼けを防ぐ基本は、食品と空気を遮断することです。真空包装や脱気包装は庫内の酸素を除去し、酸化と昇華の進行を抑制します。真空パックのまま液体に浸して凍結する手法は、包装と凍結を同時に完結できる点で工程効率にも優れます。加えてフィルム自体の酸素透過度(OTR)を下げるガスバリア性も重要な指標であり、アルミ蒸着やEVOH樹脂を用いた多層フィルムが業務用途で広く使われてきました。

2025年には環境配慮とバリア性能を両立させる新素材の開発も進みました。大日本印刷はバイオマス由来原料を用いた高バリア性フレキシブルフィルムを導入し、製造時のカーボンフットプリント削減とガスバリア性の維持を両立させています。トッパンホールディングスも、冷凍食品向けに超高バリア性のモノマテリアル(単一素材)ポリエチレンポーチを発売し、従来の多層フィルムが抱えていたリサイクルの難しさという課題に応えています。

凍結技術と包装技術は本来、車の両輪です。氷結晶を微細に保つ凍結方式と、酸化・乾燥を防ぐ包装設計を組み合わせて初めて、消費者の手元まで高品質な冷凍食品を届けられます。液冷式急速凍結を手がける当社としても、真空包装との親和性を生かした品質保持のあり方を今後も注視していきます。(MS)

参考文献

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