冷凍食品は栄養価を守れるのか——ブランチングと急速凍結が支える成分保持

更新日:2026年8月23日

トピック:冷凍による栄養価保持(ブランチングと酵素失活)/掲載日:2026年8月8日

冷凍食品は栄養価が低いという先入観を持たれることが少なくありませんが、実際には適切な工程を経た冷凍野菜は、生鮮品と比べても遜色ない、あるいはそれ以上の栄養価を保持できる場合があります。

鍵を握るのが「ブランチング」です。急速凍結の前に90〜100度の熱湯や蒸気で短時間加熱し、褐変や異臭の原因となるペルオキシダーゼなどの酵素を失活させる工程で、保存中の変色・変質・栄養劣化を大幅に抑制します。ブランチング後はビタミンCがわずかに減少しますが、マイナス18度以下で保存すればその後の減少は極めて緩やかです。例えばほうれん草は12か月後もビタミンC残存率94パーセント、にんじんは77パーセント、西洋かぼちゃは87パーセントというデータが報告されています。

一方、生鮮野菜は収穫後の時間経過とともにビタミンCが急速に失われます。室温保管の場合、収穫から25時間後の残存率は約80パーセント、50時間後には70パーセントを下回るとの報告もあり、流通に時間を要する青果よりも、旬の時期に収穫後すぐ加工・凍結される冷凍野菜のほうが、結果的に栄養価を高く保てるケースがあるのです。

この栄養価保持効果を最大限に引き出すには、ブランチング後の急速凍結で氷結晶を微細化し、細胞破壊とドリップによる水溶性ビタミンの流出を防ぐことに加え、コールドチェーン全体で温度変動を抑え続けることが欠かせません。液冷式急速凍結を手がける当社としても、凍結速度と栄養成分保持の関係を今後も検証してまいります。(MS)

参考文献

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